12月31日に年間チャンピオン大会が行われ、Nextになって最初のチャンピオンは山口真知子さんが獲得した。
下馬評では中野さんが圧倒的有利だと思ったが、それだけでは勝てないのがこの番組のおもしろいところ。
山口さんは終始安定して正解を出していたのに対し、他の3人はなかなか波に乗れなかった。
超難問に混じって、南極の基地4つの中から昭和基地を答えさせる問題など、アタック独特の難易度の落差がいやらしく、この怖さは参加したものでないとなかなか厳しい。
中野さんにしても吉川さんにしても、アタックの問題群の罠にまんまとはまってしまった感じ。
過去に5回出場し4回優勝している中野さんや吉川さんでもはめることのできる罠……おそるべし。

注目したいのは、中野さんの17番指定。
この斜め取りの手法は実はかなり前から好勝負を演出するための妙手として知られていたが、これまでの30分番組ではそれを番組内で取り上げることがなく、知る人も少ない作戦であった。
だが、今年から1時間番組となり、出場者が戦略をベラベラと語るようになり、中野さんの戦略が世に出てしまったといえる。
今後は中野流の斜め取りが主流になっていくかもしれない。
これまでは斜め取りがセオリーでなかったからこそ斜め取りが奇策となったのであり、かつ効果的な場面を演出してきたといえる。
それが斜め取りが主流になってしまうとなるとまた違った戦略が奇策として出てくるかもしれませんね。

もう一つの注目は「数字をあてましょう」のルール変更。
もともとアタックは答えると不利になる場面ではあえて答えないというのがセオリーで、その戦略が成立していた番組であった。
しかし、この「数字をあてましょう」ではどんな不利な場面でも誰かが答えなければならず、結果角を配給する場面がスタートすることになる。
過去の放送を見ても、ほんとにうまい具合に角を取る戦いが始まるような場面でこの「数字をあてましょう」が出題されている。
これにより角を取る戦いが始まる前にスルー合戦が続くという事態は回避できるようになった。

ただ、これもまだ問題点があった。
あえて大きく外れた答えを書いてしまえば正解することはなく、不利な場面で正解することもないということになってしまう。
その問題点を解決するため、一番外れた答えを書いた人は2回休みというルールを加えたのは英断。
これにより、不利な場面でも全員が真剣に正解に近い数字を考えなければいけなくなった。
もちろん不利な場面では、あえて2番目や3番目を狙うことができればいいのだが、こればかりは相手がいることなので難しい。
このルールはチャンピオン大会だけかもしれないが、個人的には通常ルールとして定着してくるのではないかと思っている。

さて、アタック25が復活して10ヶ月。
来年はどういう方が出場されるのか興味深い。
正直言ってBSに移ってクイズマニアばかりが見る番組になってしまっているので、しばらくは今のようにある程度クイズに強い人たちの出場が続くのではないだろうか。
クイズマニアのための場となってしまい、番組が終焉を迎えることのないよう祈っている。
できれば、素人の人たちばかりのマッチングも見てみたい。
予選の形を少し変えて、素人向けの選抜とマニア向けの選抜を分けてもおもしろいかもしれない。